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循環器内科

どんな時に循環器内科を受診すればいいかご存知ですか? 循環器内科でわかる主な疾患と、その原因、検査の方法などについてご説明いたします。生活習慣から大きな影響を受ける、心臓と血管の病気についての正しい知識をつけて、もしものときの備えにしましょう。
私たちの体には血液が巡っています。
頭から足まで体中には血管が張り巡らされていて、その中を血液が循環しています。

循環器内科は主に血液の流れに関する病気を診る診療科です。
血液を送るポンプの役割を持つ「心臓」、血液の通り道である「血管」を中心に、それらに影響を及ぼす生活習慣の指導なども含めた、総合的な診療にあたります。

循環器内科で診てもらえる主な疾患と原因

心臓の疾患には、体のさまざまな部分の不調が原因となって現れます。
循環器内科は心臓や血管の病気を専門としていますが、内科医として総合的な診療や治療が可能で、血管の難病についてすぐれた見識を持っている医師が多いです。

ここでは主に、循環器内科が担当することの多い病気を説明いたします。

狭心症

心臓を動かす筋肉に栄養と酸素を送る血管を「冠動脈」といいます。
高血圧や喫煙などさまざまな原因から動脈硬化を起こし、冠動脈が狭くなって心臓の筋肉が酸欠になってしまうことがあります。
その状態を「狭心症」とよびます。

狭心症では急激な体温の変化によって発作が起こりやすくなります。
風呂上がりの急激な体温低下や、トイレでの冷え、飲酒後に涼むため外気に当たるなど、発作が起こりやすい状況も知られています。

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高血圧症

安静時の血圧で、上(収縮期)が140mmHg、下(拡張期)が90mmHgを超える状態が「高血圧症」です。
塩分の多い食習慣や喫煙、運動不足、遺伝など、原因に適した治療や改善が必要です。

血圧が常時高い状態では血液が血管内を流れる速度が増すため、それだけ血管に傷がつきやすい状態に。
傷ついた血管は修復されますが、回数を重ねると徐々に血管が脆くなります。
なるべく血管のいい状態を保つためにも、高血圧の改善が重要です。

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心筋梗塞

「冠動脈」が詰まって心臓の筋肉が壊死してしまった状態です。
多い原因には、高血圧、脂質異常症などから起こる「動脈硬化」が挙げられます。

俗にいう「悪玉コレステロール値」が高い場合には、リスクが高まってしまうことも知っておきましょう。

発生した部位や範囲によっては、命に関わる重大な病気。
一刻も早い処置や予防が大切な病気といえるでしょう。

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肺塞栓症

肺では全身を巡ってきたヘモグロビンから二酸化炭素を切り離し、呼吸によって得た酸素を血液に結合させる役割があります。
肺動脈に別の血管内でできた血のかたまり(血栓)が飛んできて、血管を塞いでしまった状態が「肺塞栓症」です。

原因の多くは足の静脈にできた血栓が血流に乗ってきたもので、「エコノミークラス症候群」で知られるように、長時間同じ姿勢を続けることで血栓のできるリスクが上昇します。
デスクワークや自動車、飛行機など座りつづける状況では、こまめに歩いて水分補給を忘れないようにしましょう。

大動脈解離

血管の壁は3層構造になっていますが、血管の縦方向(流れる方向)に裂けてしまった状態を「解離」とよびます。
血管の内側の壁が裂けると、その部分から血液が流れ込んできて血管に膨らみを作ってしまいます。

大動脈という太い血管で起こったものを「大動脈解離」といい、放置は命の危険に及びます。
原因としては、動脈硬化、高脂血症、糖尿病、喫煙などが挙げられます。

不整脈

心臓は1分間に60回~80回ほどで、一定のリズムを保って動いています。
リズムが遅すぎる、速すぎる、テンポが整っていないなど、心臓の動きに異変がある場合を「不整脈」とよびます。
不整脈にはたくさんの種類があり、健康な人でも起こる不整脈もあれば、命に関わる深刻な不整脈もあります。

原因についても電気信号の発生や電気信号の伝わり、電解質のバランスなど多岐にわたります。
なぜ不整脈が起こっているかを突き止め、適切な処置を行うことも循環器内科の専門分野です。

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循環器内科で行う主な検査

循環器内科では心臓や血管の状態を確認するために、さまざまな検査を行います。
検査と治療を同時並行で行うものも含め、体の不調をあらゆる角度から確認していきます。
ここでは一般的に行われる検査をご紹介します。

心電図

心臓の動きは電気信号が頭側から足側にかけて流れることで起こります。
皮膚に電極をつけて、その電気信号をキャッチして波形にしたものが心電図です。
体からの電気を受信する検査なので、ビリビリとした刺激はいっさいありません。

狭心症などが疑われる場合には、短時間の心電図検査ではなく長時間(24時間など)の心電図をモニタリングする「ホルター心電図」検査や、運動によって心電図の変化を確認する「負荷心電図」などの検査もあります。

超音波検査

音波を体内に打ち出して、反射してきた音の成分を画像化する検査です。
リアルタイムで心臓の動きを確認することができます。

音の性質から、対象がこちらへ向かう動きなのか、離れていく動きなのかを見ることができることも特徴です。
心臓の弁が正しく開閉しているか、血液が逆流していないかなどを確認することもできます。
また頸動脈の状態を映し出すことで、全身の血管の状態を推測することも可能です。

超音波は安全性の高い検査のひとつで、痛みはありません。繰り返し検査を行うことも可能な検査といえます。

心臓カテーテル検査

脚の付け根にある血管などから細い管を通し、冠動脈をみる検査です。
造影剤とよばれる薬を入れてからX線撮影を行うことで、冠動脈が狭くなっている状態や詰まっている状態などを確認することができます。

狭くなった血管の場所でバルーンを膨らませて治療を行うこともあります。

心臓CT検査(マルチスライスCT)

心臓カテーテル検査以外でも冠動脈の状態を検査することができる方法です。
比較的短時間で検査ができ、心臓の大きさなどの情報を得ることもできます。

胸の痛みや手足のむくみなどの症状がある場合は循環器内科の受診を

狭心症や心筋梗塞では、症状として胸や背中に強烈な痛みが発生することがあります。
場合によっては、肩や歯など、胸とは別の場所が痛むことも。

循環器内科では心臓や血管に影響を与えるいろいろな原因についてのアプローチを行います。
高血圧や脂質異常症はもちろん、糖尿病では血管が脆くなれば心臓への負担も増加。
喫煙や飲酒、食生活の見直しも含めて、命に関わる心臓の病気を防ぐことも循環器内科の大切な仕事です。

手足のむくみや冷え、動悸、息切れなど、心臓が原因で起こる症状はたくさんあります。
気になることがある方は、ぜひ循環器内科を受診しましょう。

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