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キレーション療法

キレーション療法とは

キレーション療法とは、体内から有害なミネラルや老廃物を取り除く治療のことです。血管内に薬剤を点滴して行います。

点滴に使用する薬剤は「キレート剤」と言いますが、「キレート」とはギリシャ語でカニのハサミを表す「chele」を語源とし、カニが物を挟むように薬剤が重金属と結合するため、「キレート剤」という名前がつけられました。

この「キレート剤」を点滴することで、有害な重金属が体外へ排出される仕組みとなっています。

アメリカでは、臨床効果のある信頼出来る治療として、動脈硬化の改善や、脳梗塞・心筋梗塞などの予防を目的に、50 年前から盛んに行われています。

エイジングケアとデトックス

キレーション療法は、体内に溜まってしまった有害重金属を取り除くことによって、老化現象を引き起こす物質であるフリーラジカルの発生を抑制する効果があります。

皮膚は常に外界にさらされているため、紫外線や排気ガスなどの影響を最も受けやすい臓器であると言えます。 実際には、それらの外部からの酸化的ストレスだけでなく、内部からの酸化ストレスにも対応することにより、皮膚中に活性酸素 ・ フリーラジカルが発生し、皮膚組織を攻撃します。

その結果、真皮のコラーゲンの架橋(しわ)、エラスチンの変性(しわ)、グリコサミノグリカンの断片化(かさつき)、表皮の脂質過酸化(ニキビ、吹き出物)など、様々な酸化傷害をもたらし、皮膚老化が進んでいくと考えられています。
キレーション療法によって、フリーラジカルの発生を抑制するということは、これらの肌老化に対するエイジングケア治療ともとらえることができるのです。

また、キレーション療法を行うと、動脈硬化の改善と血管内の老廃物の除去作用により、血液のコンディションが整えられ血行の改善が期待できます。血流が良くなると、顔色も良くなり肌つやが増し、若返ったように見えることもあるでしょう。 見た目の変化だけでなく、疲れやすさや、高血圧や高コレステロール血症といった加齢とともに訪れる症状の改善報告もあります。

デトックスとはdetoxification =解毒の略語で、体内の有害物質や毒素を排出させるエイジングケア法として知られています。サウナやお風呂で汗を流したり、毒素を吸着して排出してくれるような食べ物やサプリメントの服用もデトックス効果があると言われていますが、キレーション療法にも強いデトックス効果があります。

キレーション療法によるエイジングケア効果

血流改善によるエイジングケア効果

  • 肌つやが良くなりハリが出る
  • くすみ、くまが改善される
  • 不眠や疲労感が解消される

活性酸素除去によるエイジングケア効果

  • ニキビ、吹き出物が解消される
  • しみ、しわが改善し、お肌につやとハリが生まれる

キレーション療法による重金属のデトックス効果について

キレーション療法では、血液中の有害重金属をスムーズに体の外へ排出することができます。  現代の生活において、私たちの身体には、知らず知らずのうちに有害な重金属が蓄積されています。 車の排気ガス、タバコの煙、工場からの排気ガスなど、鼻や皮膚を通して身体に蓄積されるものや、食品添加物・食物についた農薬、汚染された海域からの魚介類など、口から摂取されるものなどもあり、避けようとしても現実的には限界があります。

そして、身体に溜まった有害重金属は、フリーラジカル(活性酸素)の生成を促進します。そのため、有害重金属を排泄するキレーション療法を受けることは、フリーラジカルの発生を制御することにも繋がるのです。体内の有害重金属を取り除くというデトックス効果によって、様々な老化症状の改善が期待できることから、キレーション療法は有効なエイジングケア療法のひとつであると言えます。

フリーラジカルとは

フリーラジカルとは、自身が安定するためによそから電子を奪い取る分子のことです。電子を奪われた側は「酸化」というダメージを受けます。
このように、電子を奪われる「酸化」を防ぐ、つまりフリーラジカルの発生を防ぐことを「抗酸化作用」と言います。

フリーラジカルは身体にとって有益なこともありますが、過剰であったり、間違った場所に存在するようなフリーラジカルは危険なものです。フリーラジカルが過剰に生成されると、「しわができる」「肌の弾力がなくなる」「しみができる」などの老化現象や、ニキビなどの肌トラブルの原因になります。

そのフリーラジカルの産出を過剰にしてしまう原因こそが、知らずに身体へ溜め込まれてしまう有害な重金属なのです。

有害な重金属の蓄積による症状

水銀

しびれ、うつ状態、情緒不安定など

貧血、不安感、高血圧、胎児や小児の脳発達遅延など

カドミウム

貧血、血圧上昇、脱毛、骨軟化症や骨粗しょう症など

ヒ素

剥離性の皮膚炎や過度の色素沈着、骨髄障害、末梢性神経炎、黄疸、腎不全など

アルミニウム

胃腸障害、食欲不振、筋肉痛など

ベリリウム

呼吸器障害や皮膚障害

動脈硬化の原因について

ヒトの動脈は年齢と共に血管の壁にさまざまなものが付着することによって、血液の流れを妨げるようになります。
また、血液粘度(血液のドロドロ度)も加齢に伴って上昇するため、心臓が血液を送り出すために強い力が必要となり、血圧が上がります。それだけでなく、血管の壁が過度に伸展したり、血管壁が損傷することが増えます。
それらのことが重なって、脳や心臓などの太い動脈に、血管が硬くなる「動脈硬化」が見られるようになります。

動脈硬化を引き起こす危険因子としては、高血圧、高脂血症、喫煙、糖尿病の4つがよく知られていますが、最近では食生活の欧米化や都市型ライフスタイルなどの普及により、肥満、ストレス、活性酸素なども追加の原因として挙げられています。

プラークの発生

動脈硬化が発生しやすい部位

動脈硬化のメカニズム

動脈とプラーク

プラークは血管内膜の損傷を修復する過程で生じるとされています。
血液中のコレステロールや脂肪からできた粥状の物質で、動脈の内壁に蓄積し、徐々に血管を狭めます。

この状態がアテローム性動脈硬化です。
プラークが不安定化すると破裂し、漏出した物質が刺激となって血栓が発生します。 その血栓が血管内腔を閉塞した時に、心筋梗塞や脳梗塞が引き起こされるのです。

動脈硬化と、ドロドロ血液

血液は、サラサラとした液体ではなく、基本的には、粘り気があります。
血液の粘り気は、さまざまなコンディションによって変化しますが、 トマトケチャップのようにドロドロになることもあります。

そのような血液を体の隅々に送るためには、心臓は強く収縮しなければならず、血圧が上昇することになります。血液が赤ワインのようにサラサラであれば、心臓にかかる負担は小さくなりますので、血圧は上がりません。血液の粘度が増える原因としては、赤血球の濃度が挙げられますが、血液中のコレステロール値も血液粘度を上げます。

動脈硬化の危険因子として知られているものでは悪玉コレステロールが一般的ですが、血液粘度が大きくなることも問題であるという見方があります。また、血圧が上昇し、血管内部が損傷を受けると、炎症反応に対する免疫応対が血液粘度を上げ、動脈硬化を進めるという考え方も注目されています。

動脈硬化が原因で発症する病気

動脈硬化および血栓が原因となって発症する疾患は、脳血管疾患(脳梗塞、くも膜下出血、脳内出血)、虚血性心疾患(狭心症、心筋梗塞)が有名です。その他にも大動脈瘤破裂や大動脈解離なども挙げられ、これらは全て命に関わります。

心筋梗塞や脳卒中は予兆なく発症し、命を落とすこともある一方で、発症後適切に対処すれば助かる可能性があります。
しかしながら処置が遅れれば遅れるほど、重度な後遺症が残るリスクは高いため、これらの疾患が発症しないよう、普段からのリスク管理による予防が極めて重要であると言えます。

キレーション療法による動脈硬化の改善について

キレーション療法による動脈硬化治療のメカニズム

カルシウムイオンを挟み込み、排泄することにより血管壁からCaが誘導され血管の弾力性が回復することと、有害金属の除去により フリーラジカルによる障害が減少することなどが挙げられます。

実際、キレーション療法により、動脈壁がやわらかくなっているデータや加齢に伴う現象の改善に効果が見られるデータが論文報告されています。

キレーション療法の治療成績(動脈硬化改善度)

動脈硬化が進むと脈波速度が大きくなりますが、キレーション療法の回数が増すにつれて、脈波速度が小さくなります。
したがって、キレーション療法によって動脈硬化(血管の老化)が改善されると言えます。

がん予防のためのキレーション療法

国際がん研究機関(IARC:International Agency for Research on Cancer)によると、 「ヒ素およびヒ素化合物」、「ベリリウム」、「カドミウム」、また「アルミニウムを扱う仕事に従事している環境」を、最も確かな発がん性を持つ「グループ1」としています。

  • グループ1:発がん性がある
  • グループ2A:恐らく発がん性がある
  • グループ2B:発がん性の恐れがある
  • グループ3:発がん性を分類できない
  • グループ4:恐らく発がん性はない

という分類の中で、その他の重金属、鉛はグループ2Bで、水銀はグループ3になります。 IARCは、その物質の発がん性の確実さを下記の科学的証拠から分類しています。

  • (1)疫学調査など人での発がん性データ
  • (2)動物実験での発がん性試験などの証拠
  • (3)その他関連情報

キレーション療法ではキレート結合を促進する薬剤を点滴することで、 それらの発がん性物質である有害金属を取り除くことができるので、結果的にがんの予防につながると考えられています。がん予防の場合、1~2週に1回の頻度で10~30回継続してキレーション点滴を行います。

1回の費用

キレーション療法1回 18,000円 (税込)

10回の費用

キレーション療法10回 180,000円 (税込)

所要時間

1回30-90分程度

所要回数

1回/1~2週間の頻度で計10~30回、以後1回/1-2か月程度

※キレーション治療は自費診療となります

 

Q1キレーション療法はどのようなものですか?

キレーション療法とは、動脈硬化が進行するのを予防したり、血管の健康状態を回復するために行う治療です。
血管のエイジングケアが全身のエイジングケアに繋がることから、一般的にはエイジングケア療法の一つと位置づけられています。キレーション療法は、心筋梗塞患者の多いアメリカの医療機関の多くで提供されているようですが、日本では受けられる医療機関があまり多くありません。
キレーション療法はメスや麻酔を使用せず、点滴で行われるので、安全かつ体に優しい治療です。EDTAと呼ばれるアミノ酸の一種を投与します。

Q2EDTAとはどのようなものですか?

EDTAはエデト酸とも呼ばれ、工業用だけでなく食品や化粧品にも使われている化合物です。 EDTAは金属イオンをカニのはさみのように挟み込み結合するという性質があり、キレーション療法ではその働きを利用して人体の中にある有害な金属質を選択して取り除きます。
人体には、鉛、水銀、カドミニウムのような有害な金属が知らぬ間に徐々に蓄積されており、がんや動脈硬化、認知症など様々な疾患を引き起こす原因になることがあります。EDTAは、これら体内に蓄積している有害な重金属を取り除きますが、フリーラジカルの発生を抑制する効果もありますので、動脈硬化・がん・糖尿病などの疾患予防にもつながります。※Ca-EDTAやNa-EDTAというように結合しているイオンが異なる製剤がありますが、血液中ではCaやNaから遊離したEDTAが効果を発揮しますので、どちらのタイプの製剤でも効果は変わらないと考えられます。Na-EDTAは投与の際に血管痛が激しく、送達に時間がかかるということから(3時間程度)、短時間で送達が可能な新しい製剤Ca-EDTAを採用しています。

Q3CaEDTAとはどのような製剤ですか?

キレーション製剤はNa2EDTA、MgEDTA、CaEDTAなどがあり、この順に歴史があります。前者二つは投与実績が長期に渡りますが、投与の際の血管痛や急速投与による重篤なトラブルの報告があります。
CaEDTAは2000年頃から使用されるようになった比較的新しいキレーション製剤ですが、急速投与が可能で投与による重篤なトラブルが報告されていません。短時間で十分量のキレーション製剤を安全に投与できるため当院ではCaEDTAを採用しています。また、EDTAはマイナスイオンで、安定して人体に投与するために、プラスイオンである、Na、Mg、Caが採用され、先に記した3種類があるわけですが、臨床事例の報告が多いのは歴史のあるNaEDTAです。
ただ科学的に考えてEDTAと組むプラスイオンが何であれ、薬理効果を表すのは血管内で遊離されたEDTAであるので、これらのどのキレーション製剤を用いてもEDTAによるキレーション効果に差異はないと考えられます。
CaEDTAは、自験例で、心筋梗塞の症状改善例、動脈硬化改善例、頸動脈プラーク改善例などを多く確認しています。CaEDTAは短時間で安全に大量のEDTAを投与できる唯一の製剤です。

Q4どのような目的で行われるのですか?

動脈硬化の予防と改善を主な目的としています。 動脈硬化が進行すると、アテローム性動脈硬化症(動脈硬化症)として様々な症状が引き起こされます。動脈硬化は複数の要因が組み合わさって起こりますが、その要因の一つが有害重金属の体内への異常な蓄積です。 キレーション療法の動脈硬化に対する効果に関しては多くの研究がされており、血流自体の改善のみならず、病的な症状が実際に改善した例も多数報告されています。 そのメカニズムについては諸説あり、活性酸素除去説、カルシウム代謝調節説、血管拡張ホルモン誘発説などが有望視されています。 近年行われたNIHの大規模なキレーション療法の臨床試験でも、動脈硬化に起因する心筋梗塞の改善効果に関する報告がなされました。なお、美肌(ハリ、つや)などの美容的エイジングケアを目的として治療を提供する医療機関も見られますが、そのエビデンスに関してはまだ十分ではない印象があります。

Q5動脈硬化は健康にどのような影響を及ぼしますか?

動脈硬化は、心筋梗塞、脳梗塞、脳卒中、認知症など、多くの疾患の原因となります。動脈硬化により血管が狭窄すると血流が減少するため、重要な器官への酸素と栄養素が行き渡らなくなり、その結果、疲れやすい、肌の調子が悪いなどの老化現象が引き起こされます。また、動脈硬化は間接的に高血圧の原因にもなります。

Q6キレーション療法により、体にどのような影響が現れますか?

キレーション療法により、血管柔軟性や血管内腔のコンディションが整えられます。それにより血行が改善し心臓、脳などの主要臓器の機能が保たれたり、病的な症状が改善し得ます。 また、加齢現象の原因となる活性酸素の除去効果により、様々な老化現象が回復することも期待されます。

Q7キレーション療法と動脈疾患治療の相互関係はどのようになっていますか?

キレーション療法により、動脈硬化の改善が期待できますので、動脈疾患による症状の改善も期待できます。すなわち、使用中の動脈硬化関連治療薬の減量や中止が可能となる場合もあります。

Q8安全性や副作用はどうなっていますか?

キレーション療法は、大変安全な治療法と考えられていて、アメリカでは現在までに100万人の患者さんが2000万回以上の治療を受けています。今までに正しく行われたキレーション治療が直接の原因で亡くなった人は報告されていません。
副作用として血管の痛み、頭痛、疲労感などが発生する場合が時にありますので、初回の治療の際はそのような副作用が発生しないかを確認します。副作用が生じた場合も、点滴速度を遅らせるなどの対応により問題なく治療を行うことができる場合が殆どで、一般的には治療を進めるにつれて症状が緩和されるようです。

Q9飲酒や喫煙の習慣がある人でも、キレーションの効果はありますか?

喫煙のフリーラジカル発生に対する影響は甚大と思われるので禁煙は必須と思われますが、アルコールに関してはキレーション効果を著しく下げる科学的根拠が確認されません。

Q10キレーションを受ける回数や頻度について教えてください。

何らかの症状改善(胸痛、息切れなど)を目的とする場合は1~2週間に1回のペースが理想的です。症状改善が目的でなければ、キレーションの頻度は月1回程度で十分と判断します(動脈硬化改善、増悪予防という目的であればその頻度で十分と思われます)。キレーションの実施間隔を短くするよりも継続して反復実施することの方が重要と考えます。

Q11キレーション療法の効果は、自分でどのように確認すればよいですか?

キレーション療法を受けた患者さんの多くから、疲れやすい、顔色が悪いというような今まで持続していた症状がなくなったという声が聞かれます。 患者さんの周りにいる家族や周囲の友人が、ご本人が健康的で元気になっていることにいち早く気づくこともあるようです。 治療効果判定の検査を希望される方に、動脈硬化度や活性酸素によるダメージの測定を行っています。

 

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