心臓食
心臓疾患を持つ患者さんにとって、食事は治療と予防の両面で非常に重要です。以下に、心臓に優しい食事の基本的な原則と、具体的なポイントを非常に詳しく解説します。
🔑 基本的な食事の原則(心臓に優しい食事)
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ナトリウム(塩分)制限
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目標:1日6g未満(理想は3g程度)
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理由:塩分は血圧を上げ、心臓に負担をかけるため
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対策:
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減塩しょうゆ、無塩だしを使用
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加工食品(漬物、ハム、ソーセージ、インスタント食品)を避ける
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外食では「塩分控えめ」と注文し、スープや汁は残す
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脂質の質に注意(脂質管理)
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避ける:飽和脂肪酸、トランス脂肪酸
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例:バター、ラード、マーガリン、ショートニング、ファストフード、揚げ菓子
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摂取推奨:不飽和脂肪酸(特にオメガ-3)
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例:青魚(サバ、イワシ、サンマ)、亜麻仁油、えごま油、ナッツ類(無塩)
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脂質は全エネルギーの25〜30%以内に
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コレステロール摂取の調整
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コレステロール制限:1日200mg未満(必要に応じて)
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高コレステロール食品:卵黄、レバー、内臓類、魚卵(いくら、たらこ)
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糖質の質と量の管理
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単純糖質を控える(砂糖、菓子類、清涼飲料水)
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全粒穀物や食物繊維の豊富な炭水化物に切り替える(玄米、オートミール、全粒パン)
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食物繊維を多くとる
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食物繊維はコレステロールを下げ、腸内環境も改善
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目安:男性20g以上、女性18g以上/日
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食品例:野菜、果物、豆類、きのこ、海藻、玄米
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カリウム・マグネシウム・カルシウムの適正摂取
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これらは血圧を下げる作用がある
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食品例:
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カリウム:バナナ、ほうれん草、じゃがいも
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マグネシウム:豆類、ナッツ、全粒穀物
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カルシウム:小魚、低脂肪乳製品
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適切な水分管理(心不全リスク時)
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重症心不全では**水分制限(1.0〜1.5L/日)**が必要になる場合あり
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医師・栄養士の指導を受けること
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🍽️ 食事の具体例
🌅 朝食
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主食:玄米ごはん または オートミール
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主菜:焼き鮭 or 納豆(減塩)
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副菜:ほうれん草のお浸し(減塩だし使用)
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汁物:減塩味噌汁(具だくさん)
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飲み物:低脂肪牛乳 or 豆乳
🍱 昼食
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主食:雑穀ごはん
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主菜:鶏むね肉の蒸し物(ポン酢やレモンで風味付け)
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副菜:ひじきの煮物、きんぴらごぼう
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果物:みかんやキウイなどカリウム豊富なもの
🍽️ 夕食
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主食:玄米 or 全粒粉パン
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主菜:青魚の塩焼き or 煮付け(無塩だし)
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副菜:海藻サラダ(ノンオイル・減塩ドレッシング)
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スープ:具だくさん野菜スープ(無塩)
☕ 避けた方がよいものまとめ
食品・飲料 | 理由 |
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カップラーメン類 | 高塩分・高脂質 |
ハム・ベーコン・ソーセージ | 加工肉で塩分・脂質が多い |
ポテトチップス・スナック菓子 | トランス脂肪酸・塩分が多い |
甘い清涼飲料水 | 血糖値上昇・脂質代謝悪化 |
アルコール(過剰) | 心拍・血圧に影響 |
🧠 栄養指導・生活全体でのアドバイス
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栄養士による個別指導:病状や治療内容に応じた個別対応が理想
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体重・血圧・脂質の定期モニタリング
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禁煙、適度な運動(主治医の許可のもと)
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ストレス管理と睡眠の質の確保