梅雨と健康管理
梅雨の季節を健やかに過ごすために
~しっとりと潤う季節との上手な付き合い方~
6月に入り、いよいよ梅雨の季節がやってきました。毎日のように続く雨空に、つい気分も沈みがちになってしまうことがあるかもしれません。でも、梅雨は決して「嫌な季節」ばかりではありません。自然界にとってはとても大切な、いわば「命を育てる雨」の季節です。
雨が大地を潤し、田畑には恵みの水が行きわたり、草木は青々と育ちます。紫陽花やくちなしの花が静かに咲き誇るこの季節は、ゆっくりと自然と向き合うのにふさわしい、心静まる時間を与えてくれます。
しかし一方で、梅雨時期の気圧や湿度の変化は、私たちの身体にもさまざまな影響を及ぼすことがあります。
梅雨と健康の意外な関係
梅雨の時期には以下のような体調の変化が起こりやすくなります。
1. 気圧の低下と自律神経の乱れ
気圧が低い状態が続くと、私たちの自律神経に影響を与え、以下のような症状が出やすくなります。
-
頭痛、めまい、肩こり
-
不眠や寝つきの悪さ
-
気分の落ち込みやイライラ
特に高血圧や心臓病、睡眠時無呼吸症候群(SAS)をお持ちの方は、気圧や湿度の変化により症状が悪化することがあります。例えば、気圧が下がると血管が拡張し、血圧が不安定になりやすく、頭痛や動悸が出やすくなることがあります。
2. 湿度と呼吸器への影響
高い湿度は空気中のカビやダニの増殖を助けます。これが原因で、気管支喘息やアレルギー性鼻炎などの呼吸器症状が悪化する場合もあります。SAS(睡眠時無呼吸症候群)をお持ちの方は、気道のむくみやアレルギーによる鼻づまりが睡眠の質をさらに下げてしまうリスクがあります。
3. 活動量の低下と循環器への負担
雨が多くなることで、外出や運動の機会が減り、結果として体重増加や筋力低下につながることもあります。これは、高血圧や心不全の方にとっては血液循環の悪化を招く一因となりえます。
ポジティブな心持ちが健康を支える
そんな梅雨を、少しでも快適に、前向きに過ごすためのポイントをいくつかご紹介します。
-
光を味方に:雨の日が続いても、朝はカーテンを開けて自然光を取り込みましょう。光を浴びることで体内時計が整い、気分の安定につながります。
-
リズムある生活を:不規則な生活は自律神経を乱しがちです。起床・就寝時間をなるべく一定に保ち、軽いストレッチや体操を毎日続けましょう。
-
栄養と水分をしっかり:ジメジメした気候でも、水分や塩分のバランスには注意が必要です。特に高血圧や心臓病をお持ちの方は、食事と水分量の管理を丁寧に行いましょう。
-
睡眠環境の見直しを:湿気の多い部屋では寝苦しく、睡眠の質が下がってしまうことがあります。除湿器の使用や寝具の工夫で、快適な睡眠環境を保つことが重要です。
梅雨は「調える」季節
梅雨は、「整える」季節とも言えるかもしれません。自然のリズムに合わせて、私たちの心と身体のリズムも見直すチャンスです。
「国際ハートスリープクリニック-つくば」では、循環器疾患や睡眠時無呼吸症候群をはじめとした、気候に影響されやすい疾患のご相談もお受けしております。梅雨時の体調不良でお困りの方は、ぜひお気軽にご相談ください。