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適切な睡眠時間とは?

[2025.03.08]

睡眠不足が脳やからだに良くないことはよく知られていますが、睡眠時間が長すぎても良くないことをご存知でしょうか。

 

必要な睡眠時間は個人差があり、さらに年齢や季節によっても変動します。平均的には若い世代は7~8時間、中年者は6.5時間、高齢者は6時間というように、加齢により必要な睡眠時間は減ってくることが知られています。

 

しかし、長い睡眠時間が必要な若い世代は睡眠に充てる時間が少なくて睡眠不足になりがちです。逆に、高齢者は必要な睡眠時間が短くなってきているにもかかわらず、横になっている時間が長すぎることが問題です。

 

必要以上に長い時間眠ろうとすると、睡眠の質が下がります。例えば、寝付くまで時間がかかったり、途中で目が覚めたり、熟睡した感じが得られなくなってしまいます。

 

長時間の睡眠が認知症の発症リスクに

 

必要以上に長い睡眠(9時間以上)は認知症(アルツハイマー病)の発症リスクを高めることが報告されています。

 

アルツハイマー病は脳内にアミロイドβが異常に蓄積することで起こると考えられています。健康な人でも脳内にアミロイドβができますが、睡眠をとっている間に、脳内に蓄積したアミロイドβなどの老廃物を排出するシステムがあります。この排出システムは深い睡眠時に効率的に働きます。

 

睡眠時間が長いのは一見良いことのように思えますが、かえって睡眠の質が低下し、アミロイドβを効率良く脳から除去することができなくなってしまいます。

 

また、30分以上の長い昼寝や頻回の昼寝は、睡眠の質を悪化させ、認知機能を低下させる原因になります。

 

定年などを迎えて日中の用事が減った高齢者では、昼夜のメリハリがなくなってくる方が少なくありません。昼からダラダラ横になっているような暮らし方では、認知機能の低下が心配です。

 

夜ぐっすり寝るためには、昼間の活動が大切

 

昼間につい横になってしまうのは、夜間に質の良い睡眠が取れていないために、頭がシャキッとせず、気力が湧かないせいかもしれません。

 

このような状況だと、睡眠の質が悪い⇒昼間に横になる⇒夜になっても眠くない⇒睡眠が短く・浅くなる⇒睡眠の質が悪い⇒昼間に横になる……というような悪循環が起こってしまいます。

 

この悪循環を断ち切るには、昼間に運動や外出などをして積極的に活動し、からだをしっかり動かしておきましょう。そうすれば夜にきちんと眠くなり、深い睡眠を取ることができます。

 

ちなみに、睡眠薬を使ったとしても、それだけで昼夜のメリハリを改善することはできません。ご自身で生活リズムを修正する必要があります。

 

脳とからだの健康を守っていつまでも元気に暮らすために、日中は活動的に過ごし、横になる時間(床上時間)が8時間以上にならないように心がけましょう。

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