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WPW症候群に伴う心房細動の治療において,気をつけるべきことは何か?

[2024.12.01]

房室結節に作用する薬剤を使わないこと。

 房室結節は,バックアップのペースメーカーであるだけでなく,心房から心室への過剰な電気刺激をフィルターして抑える機能も持っている。顕在性WPW症候群に心房細動が起こり,その際に副伝導路からの伝達が多い場合,房室結節によるフィルターが働かないために心室細動に移行するリスクがある。このときに,通常の心房細動の治療であるカルシウム拮抗薬,β遮断薬,ジゴキシンは禁忌である。

 薬剤治療としては,プロカインアミドやイブチライド(日本では認可されていない)が勧められている。アミオダロンには房室結節作用があり,WPW症候群に伴った心房細動には危険性があるという報告もある。通常の心房細動と違い,同期カルディオバージョンを早めに考慮すべき病態である。

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