骨粗鬆症とは?
骨粗鬆症とは骨量(骨密度)が減る、または骨の質が低下することで骨がもろくなり、骨折しやすくなる病気を言います。いま現在、骨折や、腰・背中の痛みがなくても、骨が弱っていると骨粗鬆症と診断されます。
骨粗鬆症による骨折を起こすと寝たきりや認知症につながることがありますが、様々なケースで予防や治療もできる病気です。
骨粗鬆症はどうしてなるの?
骨は成長期にカルシウムを蓄積し、女性は15~18歳頃、男性は20歳前後に人生最大の骨量に達します。成長期以降は「骨リモデリング」と呼ばれる骨の新陳代謝を繰り返しながら、40歳半ば頃まで最大骨量が保たれます。
年齢による骨量の変化(概念図)
骨は硬い組織ですが、骨リモデリングによって常に古い骨を壊す作業と新しい骨を作る作業の両方が繰り返されています。加齢や女性ホルモンの減少、カルシウム不足などでこの代謝がアンバランスになり、失われた骨量を十分に回復することができなくなると骨量減少が始まります。
骨粗鬆症で起こる骨折
骨粗鬆症によって骨強度が低下すると荷物を持ち上げる、手をつくなど日常の何気ない動作で骨折が起きやすくなります。また、自分の体重に背骨が耐え切れなくなり、気づかないうちに背骨がつぶれて骨折していることがあります。このような場合、特別な痛みを感じないため、軽いうちは自分でも骨折していることに気がつかないことがほとんどです。
骨粗鬆症による骨折が起こりやすい部位
椎体(背骨)
大腿骨近位部(足のつけ根)
橈骨遠位端(手首)
上腕骨近位部(腕のつけ根)
骨粗鬆症による骨折は、骨折をすればするほど連鎖的につぎの骨折が起こりやすくなります。やがて背骨のバランスが崩れ背中が丸くなることで、胃食道逆流現象などの消化器疾患や、呼吸器機能障害、心臓の機能低下などの原因となることがあります。
特に大腿骨(足のつけ根)を骨折すると入院や安静を強いられ、運動機能や内臓機能が低下して寝たきりにつながりやすく、寝たきりから認知症が進行する可能性もあり、死亡リスクも高くなります。