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心房細動

心房細動について

心房細動はその名前の通り、心房が細かく震えるように痙攣し、不規則な脈拍になることをいいます。心房細動は高齢になるにつれて発症し80歳以上では2-5%程度の人に見られると言われています。その他、高血圧症や弁膜症、虚血性心疾患、心不全のある方に多く発生します。また最近の私の研究では、心房細動の患者様はSASを基礎疾患に持っておられる方が多く、そこを治療することで心房細動が改善することも非常に多く経験します。

心房細動の症状は?

心房細動では、ドキドキする、息切れ、めまい、疲労感などの症状があらわれることがあります。しかし、無症状のことも多く、定期健診の心電図検査などで初めて見つかる場合も少なくありません。健診で心電図異常指摘された場合、上記症状等認める場合はお気軽にご相談ください。また最近ではアップルウォッチにて心房細動が判明することも多く、当院ではそのような対応も行っております。

心房細動を放置して怖いこと

心房細動は大きく2つの弊害があります。

(1)心不全

 一つ目は心不全を引き起こすことです。 心拍数が異常に速くなり、左心室の働きが低下して血液循環が低下し、肺に水がたまってしまうことがあります。

(2)血栓症

 もう一つは血栓症です。 心房細動があると左心房は1分間に300回以上収縮します。これはブルブル震えているのと同じになり、左心房の中の血液はよどみます。よどんだ血液は心臓内の左心耳という心臓の盲腸のような場所で固まり、血栓となります。

これが脳の血管に詰まって脳梗塞を引き起こすことがあります。実際に脳梗塞の約4割は、心房細動が原因といわれています。長島監督も心房細動が原因と言われています。

心房細動の検査

高血圧の治療薬には下記のようなものがあります。これらの中から医師が患者様のリスクや合併症を考慮して薬剤を選択及び調整いたします。

  • 心電図
  • 24時間ホルター心電図
  • 血液検査
  • 胸部レントゲン検査
  • 心臓超音波検査

これらの検査は当クリニックではすべて対応可能です。

心房細動の治療法

誘因の除去や原因となり得る心臓疾患などの治療が必要になりますが、心房細動に対する治療は以下に大別されます。

(1)抗凝固療法

抗凝固薬を内服することで血栓の形成を予防します。数種類の抗凝固薬がありますが、患者さんのライフスタイルや状態によっての使い分け・用量選択が必要になります。

(2)レート(心拍数)コントロール

内服薬により心拍数を抑えることで心臓への負担を減らす治療です。

(3)リズムコントロール

 脈の乱れを元に戻して維持する治療で、以下の治療法があります。

  • 薬物療法
  • 電気的除細動(電気ショック)
  • カテーテルアブレーション治療
  •  (カテーテルと呼ばれる管を血管から心臓内に通して原因となっている電気回路を遮断する治療)

10年ほど前より、私はニューハート渡邊病院の大塚俊哉医師と共同で手術による左心耳閉鎖術(ウルフー大塚法、末松法)を考案して行っております。私個人では約400名の患者さんの治療を行っており、これにより心房細動がたとえ治癒しなくても抗凝固薬(殺鼠剤であるワーファリンなど)を一生涯飲む必要がなくなります。 

 実はレートコントロールとリズムコントロールの優劣はありません。2002年に発表されたAFFIRM試験ではレートコントロールとリズムコントロールで総死亡率や心血管イベントに差はありませんでした。

どのような治療を行うかは患者さんの病態、ご希望を考慮しご相談の上決定させていただきます。心房細動のカテーテルアブレーションが必要な際は専門の病院、施設がありますので、ご紹介させていただきます。

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