ワクチンは、感染症の原因となる病原体への免疫をあらかじめ体につくることで、重い病気にかかるのを防ぐための薬です。

🦠 ワクチンの仕組み

ワクチンを接種すると、体内の免疫システムが、病原性を持たないか弱められた病原体の一部、または病原体の遺伝情報の一部を認識します。すると、免疫の司令塔であるヘルパーT細胞が他の免疫細胞に指令を出し、病原体を攻撃する抗体を作らせたり、将来の病原体侵入に備える「メモリー細胞」を作ったりします。この働きにより、実際に病原体が侵入した際に、体は素早く反応して病原体を排除できるようになるのです。

🛡️ ワクチン接種の目的

ワクチン接種には、主に3つの大切な目的があります。

• 自分が病気にかからないため：自分自身の健康を守ります。
• かかっても症状が軽く済むため：万が一感染しても、重症化を防ぎます。
• 周りの人にうつさないため：免疫力の弱い人たち（赤ちゃん、妊婦、高齢者など）を含め、大切な人々を感染から守り、地域社会での流行を防ぎます。

💉 ワクチンの種類

ワクチンは、その製造方法によっていくつかの種類に分けられます。

• 生ワクチン：生きた細菌やウイルスの毒性や感染力を弱めて作られます。実際に病気にかかったのと同じように強い免疫がつきますが、接種後に軽い症状が出ることがあります。妊婦や免疫力が低下している人は接種できません。
  • 例：水痘ワクチン、麻しん風しん混合ワクチン
• 不活化ワクチン：毒性や感染力を失くした細菌やウイルスを利用して作られます。
• mRNAワクチン：ウイルスのタンパク質を作る遺伝情報の一部を体内に注射します。体内でウイルスのタンパク質の一部が作られ、それに対する抗体などができることで免疫ができます。新型コロナウイルス感染症のワクチンで初めて実用化されました。
• ウイルスベクターワクチン：安全なウイルスを使って病原体の遺伝子を体内に運び、免疫反応を促します。

新型コロナワクチンについては、有効性と安全性が確認されており、入院や死亡などの重症化を予防する効果が報告されています。厚生労働省のウェブサイトで詳しい情報が提供されています。

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