舌下免疫療法とは?
日本では2014年からスギ花粉症に対する舌下免疫療法の保険診療が行われ、1年遅れでダニの舌下免疫療法が保険適応となりました。
アレルギーを引き起こす原因となる物質であるダニのエキスを少しずつ舌下より体内に吸収させて、徐々に増やすことにより、体をアレルギーの原因物質に慣れさせる治療法です。
ダニアレルギーの体質自体を変えてしまう可能性のある画期的な治療法です。
毎日、ダニのエキスを舌下に含みます。最初の1週間は低濃度のエキスを舌下に投与し、2週目以降は高濃度に移行し継続します。根気のいる治療ですが、多くの方が1年、2年、3年と続けるにしたがってだんだん症状が軽くなってくると言われています。
おおむねまず4年間行うのが基本です。
ダニのアレルギー性鼻炎とは
ダニは主にヤケヒョウヒダニとコナヒョウヒダニの2種類があり、塵(ちり)ダニと呼ばれます。屋内にはどちらのダニも多くいます。犬などにつくマダニとは異なり、大きさは100ミクロン程度で、肉眼では確認しにくいです。絨毯や布団などにたくさん生息しています。生きているダニがアレルギーの原因になるのではなく、ダニが粉々になった死骸や糞便などがアレルギー性鼻炎の原因になります。日本におけるアレルギー性鼻炎では、スギ花粉とともに最も多い原因となります。
舌下免疫療法による効果
- くしゃみ・鼻水・鼻づまりが軽くなるもしくは消失する
- 目のかゆみ・涙目が軽くなるもしくは消失するる
舌下免疫療法が推奨される方
ダニが原因の通年性アレルギー性鼻炎でお悩みの方には、皆さんにお勧めですが、特に下記のような方にお勧めしています。
- 飲み薬や点鼻薬等でも症状が軽くならない方
- 飲み薬で眠気など副作用がひどい方
- 数年以内に妊娠の希望や予定はないが、将来に妊娠した際に薬が使えないのが不安な方
舌下免疫療法が受けれない方
- ニ以外のアレルギー性鼻炎の方(必ず、採血検査でダニアレルギーかを確認しなければなりません。)
- 6歳未満の方(年齢制限はありませんが当クリニックでは6歳からを適応としております)
- 重度の気管支喘息の方
- 悪性腫瘍(がん)や、免疫系の病気がある方
舌下免疫療法の副作用
<軽い副作用>
50人に一人未満の確率で起きます。
- 舌の下や口の中の腫れ
- 口内炎
- 口の中や、喉のかゆみ
- 耳、鼻、目、皮膚のかゆみ
- 頭痛
- くしゃみ・鼻水・鼻づまり
- 耳や喉の違和感
- 咳
<重い副作用>
- アナフィラキシーショック
可能性として完全に否定はできませんが、非常に稀です。
舌下免疫療法の具体的な流れ
- 外来を受診して下さい(予約の必要ありません)
まずダニが原因のアレルギー性鼻炎であること、免疫療法の適応であることなどの診断が必要です。
採血(特異的IgE抗体検査)などの検査で診断をします。
まずは初診していただき、説明を聞いて検査を行ってから舌下免疫療法を検討していただくようにお願いします。まず検査を行うので、初診の日に舌下免疫療法を開始することはありません。 - 再診時(予約制)に舌下免疫療法の初回投与を当クリニックにて行います。
投与した後は30分間、待合室で経過を見ます。初めて投与する日は時間がかかりますのでスケジュールに余裕をもってお越しください。
(受付、説明、診察、投与、投与後30分の経過観察、会計=約1時間30分程度)
ミティキュアの服薬スケジュール
ミティキュア服薬手順
①ミシン目にそって、しっかりと折り曲げ、切り離してくだい。
②うら面の「はがす」部分からはがしてください。お薬がやわらかく、割れることがあるため、シートをはがさずに押し出さないでください。
③爪を立てずに指の腹で下から押して、お薬を取り出してください。欠けたり割れたりした場合、それらも一緒に服用してください。
④舌の下にお薬を置き、1分間保持した後、飲み込んでください。舌の下に置くとすぐ唾液で溶けてなくなりますが、唾液はすぐに飲み込まず、1分間舌の下に保持してください。
⑤その後5分間は、うがいや飲食をしないでください。
治療費の目安
料金はクリニックと調剤薬局での合計金額の目安は3割負担の方で月3,500円くらいです。