糖尿病患者様の食事
糖尿病の患者さんの食事は、血糖値を安定させ、合併症を予防し、健康的な生活を送るために非常に大切です。基本的には「糖尿病だから特別な食事」ではなく、バランスのよい健康的な食事が基本です。以下に整理します。
🍴 糖尿病食の基本ポイント
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エネルギー(カロリー)を適正に
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年齢、性別、活動量、肥満の有無に応じて決定。
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目安:標準体重 × 25~30 kcal/kg/日。
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炭水化物の質と量をコントロール
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ご飯、パン、麺などの主食は1回量を一定に。
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白米よりも玄米、雑穀米、野菜、豆類など食物繊維を多く含む食品が望ましい。
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ジュース、菓子パン、砂糖入り飲料は急激な血糖上昇を招くため注意。
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タンパク質を適度に
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魚、大豆製品、鶏肉などをバランスよく。
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腎臓に障害がある場合は制限が必要になることも。
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脂質は質を重視
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動物性脂肪(バター、ラード、脂身の多い肉)は控えめに。
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オリーブオイル、青魚、ナッツなどの不飽和脂肪酸を取り入れる。
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野菜・海藻・きのこ類をしっかり
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1日350g以上を目安に。
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食物繊維は血糖上昇をゆるやかにする効果あり。
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減塩
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高血圧・腎症予防のために 1日6g未満 を目標。
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規則正しく食べる
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食事の間隔を空けすぎない。
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夜遅くの食事やドカ食いは避ける。
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🥢 具体例(1食のバランス)
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主食:ご飯150g(小盛り茶碗1杯、できれば雑穀米)
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主菜:焼き魚または鶏胸肉100g程度
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副菜:野菜炒め・おひたし(野菜100〜150g)
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汁物:みそ汁(減塩・具だくさん)
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果物:みかん1個、りんご1/4個(食べ過ぎ注意)
🍶 飲み物
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水、お茶、炭酸水(無糖)が基本。
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甘いジュース、缶コーヒー(加糖)は避ける。
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アルコールは控えめに(ビールや日本酒より、焼酎・ウイスキーなど糖質の少ないものを少量)。
👉 患者さんごとの体格・活動量・合併症の有無で最適な食事は変わります。
🗓 糖尿病患者さん向け 1週間献立例
🔹1日目
朝:玄米ご飯100g、焼き鮭、ほうれん草のおひたし、みそ汁(豆腐とわかめ)、無糖ヨーグルト+ブルーベリー少量
昼:そば(ざるまたは温)、野菜天ぷら(かぼちゃ・なす少量)、小鉢:ひじき煮
夕:鶏むね肉の照り焼き、キャベツときゅうりのサラダ、ブロッコリーのおひたし、雑穀ご飯120g、みそ汁
🔹2日目
朝:食パン(6枚切り1枚)、オリーブオイル+少量チーズ、トマトとレタスのサラダ、ゆで卵、カフェオレ(無糖・低脂肪乳)
昼:雑穀ご飯120g、サバの塩焼き、大根おろし、ひじきと大豆の煮物、具だくさんみそ汁
夕:豚しゃぶ(脂身少なめ)+ポン酢、豆腐ときのこの炒め物、ほうれん草の白和え、ご飯100g
🔹3日目
朝:オートミール30g+無調整豆乳、バナナ1/2本、ゆで卵
昼:玄米ご飯120g、鶏そぼろと卵そぼろの二色丼、ほうれん草のナムル、みそ汁
夕:焼き魚(サンマ)、白菜と油揚げの煮物、ブロッコリー+トマトのサラダ、ご飯100g
🔹4日目
朝:雑穀ご飯100g、納豆、冷奴、オクラのおひたし、みそ汁
昼:そば(とろろ、わかめ)、小鉢:きんぴらごぼう
夕:鶏のグリル焼き(ハーブ風味)、かぼちゃの煮物、ブロッコリーサラダ、ご飯120g
🔹5日目
朝:食パン(6枚切1枚)、アボカド+トマト+ゆで卵、低脂肪牛乳
昼:雑穀ご飯120g、鮭の西京焼き、野菜炒め(キャベツ・にんじん・もやし)、みそ汁
夕:豆腐ハンバーグ、大根の煮物、小松菜のおひたし、ご飯100g
🔹6日目
朝:玄米ご飯100g、焼き海苔、納豆、野菜たっぷりみそ汁、りんご1/4個
昼:冷やしうどん(大根おろし・オクラ・なめこ・鶏ささみ)、小鉢:切り干し大根煮
夕:サバの味噌煮、ほうれん草としめじのお浸し、トマトサラダ、ご飯100g
🔹7日目
朝:オートミール30g+ヨーグルト、ブルーベリー、ゆで卵、緑茶
昼:雑穀ご飯120g、鶏胸肉と野菜の生姜炒め、ひじきと豆の煮物、みそ汁
夕:鮭のホイル焼き(きのこ・野菜入り)、冷奴、ブロッコリーとトマトのサラダ、ご飯100g
🍎 ポイント
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主食(ご飯・パン・麺)は1回100〜120g程度で統一
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野菜は毎食たっぷり(生野菜+加熱野菜でバランス)
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魚・鶏肉・大豆製品を中心にタンパク質を確保
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間食はなるべく避けるが、どうしてもお腹がすいたときは無塩ナッツやヨーグルト少量
👉 この献立はあくまで一般的な糖尿病食のモデルです。体格・活動量・腎機能などによって調整が必要になります。