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下肢静脈瘤について

[2025.05.30]

下肢静脈瘤(かしじょうみゃくりゅう)は、脚の表面近くを走る静脈が拡張・蛇行し、浮き出るようになる病気です。以下に詳細な画像説明、原因、症状、治療法を解説します。


📷 下肢静脈瘤

静脈瘤は視覚的に次のような特徴があります:

  • 表面に浮き出る拡張した静脈:青紫色または緑がかった色で、くねくねと蛇行して見える

  • こぶ状の膨らみ:指で押すと一時的にへこむこともある

  • 特にふくらはぎや太ももの内側に多い

  • 重症の場合、皮膚の色素沈着、潰瘍も伴うことがある

 


🧬 原因

下肢静脈瘤の主な原因は静脈の弁の機能不全です。詳しくは以下の通りです。

主因:弁の逆流

  • 静脈には血液が逆流しないように逆流防止弁がある

  • 加齢や立ち仕事などでこの弁が壊れると、血液が逆流して静脈内に溜まる

  • 圧が上がり、静脈が拡張・変形する

危険因子:

危険因子 詳細
加齢 弁や血管壁が弱くなる
遺伝 家族に静脈瘤があるとリスク増
女性 妊娠・ホルモン変化が影響(特にプロゲステロン)
長時間の立ち仕事 静脈圧が上がりやすい
肥満 静脈への圧力が増加
妊娠 子宮が静脈を圧迫し、逆流を悪化させる

🩺 症状

下肢静脈瘤の症状は進行度により異なります:

初期症状:

  • 脚のだるさ・重さ

  • 夜間のこむら返り(筋肉の痙攣)

  • 足のむくみ(特に夕方)

中期症状:

  • 静脈が浮き出てくる

  • かゆみ、皮膚の乾燥

  • 色素沈着(茶色っぽくなる)

重症化すると:

  • 皮膚硬化(皮膚が硬くゴワゴワする)

  • 湿疹・潰瘍(皮膚が破れ、治りにくい傷に)


🧪 診断

  • 視診・触診:外見である程度診断可能

  • 超音波検査(ドプラー法):静脈弁の逆流や血流の状態を確認

  • 静脈造影(稀):重症例や手術前に行うことがある

🩺 下肢静脈瘤の主な治療法

1. 保存的治療(軽症の場合)

  • 弾性ストッキング着用:静脈のうっ血を防ぐ

  • 脚を上げる生活習慣:就寝時や長時間立つ仕事の方に有効

  • 運動療法:ふくらはぎの筋肉を動かすことで血流を促進


2. 硬化療法(注射治療)

  • 拡張した静脈に硬化剤を注射

  • 血管が閉塞し、徐々に体内に吸収される

  • 小さな静脈瘤に向いている


3. ストリッピング手術

  • 病的な静脈を切開して引き抜く方法

  • 一般的に膝から足首までの大伏在静脈が対象

  • 入院が必要な場合も


4. 血管内焼灼術(レーザー/高周波)

  • カテーテルで静脈内にレーザーや高周波を照射し、閉塞させる

  • 局所麻酔で日帰り手術が可能

  • 再発率が低く、現在主流の治療法


5. ✅ 医療用接着剤によるグルー治療(VenaSealなど)

  • 最新の低侵襲治療法

  • 医療用の瞬間接着剤を静脈内に注入し、静脈を閉塞

  • 特徴:

    • 熱を使わないため神経損傷のリスクが低い

    • 局所麻酔や全身麻酔不要(カテーテル挿入部のみ)

    • 処置後すぐに歩行可能

    • 弾性ストッキングの着用も不要な場合が多い

  • デメリット:

    • 🧪 アレルギー反応の可能性 接着剤に対する炎症反応やアレルギー(稀)
      💥 皮下硬結・しこり感 接着部に一時的な硬さを感じることがある
      🔄 長期データはまだ少ない 従来の熱治療法と比較し、長期成績の蓄積が不十分

🎯 どの治療を選ぶべきか?

治療法の選択は以下の要素で変わります:

判断基準 選択されやすい治療法
軽症 弾性ストッキング、硬化療法
中〜重症 血管内焼灼術、グルー治療
美容目的 硬化療法、グルー治療
再発・広範囲 血管内焼灼術、ストリッピング手術
痛みを避けたい グルー治療

 

📝 予防・生活習慣のポイント

  • 長時間立ちっぱなしを避ける

  • こまめに脚を動かす(足首を回すなど)

  • 適度な運動(ウォーキング、ふくらはぎのストレッチ)

  • 適正体重の維持

  • 弾性ストッキングの着用を習慣にする

 

当院では日帰りにて硬化療法、グルー治療を行っておりますので是非お気軽にお問い合わせください。

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