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下肢静脈瘤に対するグルー治療

[2025.05.31]

下肢静脈瘤に対するグルー治療(医療用接着剤による治療)は、比較的新しい、体への負担が少ない治療法です。以下にその仕組み・手順・メリット・デメリット・注意点などを詳しく説明します。


✅ グルー治療とは?

医療用接着剤(主にシアノアクリレート)を使って、静脈内で逆流している伏在静脈(大伏在静脈・小伏在静脈)を閉鎖する治療法です。
手術や高周波・レーザー治療のような熱を使わず、静脈を“糊でふさぐ”というイメージです。


🧬 使用する医療用グルー

名称:

  • VenaSeal(ベナシール)クロージャーシステム(主に使用される製品)

主成分:

  • n-ブチルシアノアクリレート
    (瞬間接着剤の仲間だが、医療用として安全性を確保)


⚙ 治療の流れ(手順)

  1. 局所麻酔を一か所のみ実施(カテーテル挿入部位)

  2. 超音波ガイド下で、逆流している伏在静脈にカテーテルを挿入

  3. グルー(接着剤)を一定間隔で注入しながら、カテーテルを徐々に引き抜く

  4. 注入直後に圧迫して固定 → 静脈内で癒着が起きて血流が止まる

  5. 施術終了(片足30分程度)


🌟 グルー治療のメリット

特徴 内容
🔥 非熱的治療 レーザー・高周波と違い、熱による神経損傷や皮膚やけどのリスクがない
💉 局所麻酔だけでOK 全身麻酔や多点の局所麻酔は不要(身体の負担が小さい)
⏱ 治療時間が短い 両足同時に施術も可能
🦵 弾性ストッキング不要 原則として術後の圧迫が不要(※施設による)
🏃‍♀️ すぐに日常生活へ 治療当日から歩行・仕事復帰が可能なことが多い

⚠ グルー治療のデメリット・注意点

リスク/注意点  
   
🌿 異物反応 ごくまれにグルーによるアレルギー反応や炎症反応が出ることがある
🦠 感染リスク 極めて稀だが、接着部に感染を起こすことがある
🧪 長期的データが少ない 高周波・レーザー治療に比べて、治療実績がまだ少なめ(ただし欧米では普及)

🚫 グルー治療が向かないケース

  • グルーに対する過敏症(アレルギー)がある

  • 妊娠中

  • 静脈の太さや形状が特殊で、接着が困難な場合

  • 深部静脈血栓症(DVT)など他の血管疾患がある場合


🏥 治療後の経過・フォロー

時期 内容
当日 歩行・帰宅可能、圧迫不要な場合も多い
翌日以降 通常生活に戻れる(重労働は数日休むのが無難)
1週間~1か月後 経過観察のため超音波検査などで静脈閉鎖を確認
1年後 定期フォローアップが推奨される(再発予防)

✅ まとめ

項目 グルー治療の特徴
手術法 医療用接着剤で静脈を閉鎖
麻酔 局所麻酔(1ヶ所)
痛み・ダウンタイム 少ない
保険適用 なし(自由診療)
再発率 数年単位で良好(長期データは進行中)
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