老化は病気？アンチエイジング医学とは

アンチエイジング医学とは、病気の治療を行う医学の先を行き、より健康になることを目指す予防医学の1つです。

元気に長寿を全うするための理論や実践を定義としていて、さまざまな領域があります。

たとえば健康や医療の面でのアンチエイジング医学とは、加齢とともに発症リスクが高くなる生活習慣病のリスクを減らすことなどです。

一方、美容外科の面から見ると、見た目を若々しく保つための治療を指します。

老化はケアによってある程度コントロールできる

老化は、誰でも同じスピードで進行するわけではありません。

アンチエイジングを行えば、自分である程度老化のスピードをコントロールできます。

見た目や体力は、同じ年齢の方でも若く見えたり老化が進んで見えたりすることがあります。

シミ・シワの少なさや体力などで、年齢に差が見えるのです。

体の外側の原因：紫外線や乾燥

老化の原因の1つ目は、紫外線や乾燥です。

特に紫外線は、肌にダメージを与える1つの大きな原因として知られています。

紫外線を長時間浴びると、細胞内に活性酸素と呼ばれる物質が発生します。

活性酸素は、美肌成分であるコラーゲンやエラスチン線維を変性させたり、それらの物質を生成する繊維芽細胞にもダメージを与えたりすることがわかっています。

紫外線が原因による老化を、光老化と呼びます。

光老化が原因で、シワやシミ、たるみなどができやすくなるのです。

また、肌の乾燥が続くと、肌を守るバリア機能が低下し、細胞が生まれ変わるターンオーバーが乱れやすくなります。

ターンオーバーが乱れると老廃物などがうまく排出されなくなるため、シミができる可能性があるでしょう。

体の内側の原因：不規則な生活、加齢に伴う変化

不規則な生活が続くと、老化に繋がりやすくなります。

質の高い睡眠は特に大切です。

睡眠中は、細胞を生まれ変わらせる効果のある、成長ホルモンが多く分泌されます。

しかし、睡眠時間が短かったり、質の高い睡眠が取れていなかったりすると、ターンオーバーが乱れ、老化に繋がりやすくなるのです。

睡眠不足が続くと、生活習慣病のリスクが上がることもわかっています。

また、加齢による骨密度の減少や、筋肉・脂肪の変化も老化の原因の1つです。

年齢を重ねると、筋肉や脂肪を支える土台である顔の骨が縮みます。

余った脂肪が重力によって垂れ下がることで、たるみやシワが引き起こされるのです。

心の原因：ストレス

ストレスも老化に繋がる原因の1つです。

仕事や人間関係などのイライラや不安などが溜まってストレスを感じると、一時的に血行が悪くなります。

悪くなった血行が回復する際には、活性酸素が発生してしまいます。

これを繰り返すと酸化が促進され、老化に繋がってしまうのです。

栄養バランスの整った食事

栄養バランスの整った食事を摂ることは、アンチエイジングに繋がります。

さまざまな栄養素を取り入れることで健康を保ちやすくなり、加齢による老化が抑えやすくなるのです。

アンチエイジングに特に効果的といわれるのは、抗酸化作用のある食材を摂ることです。

抗酸化作用が含まれる食材には、以下の例が挙げられます。

抗酸化作用を持つ食べ物以外でも、筋肉や肌を作る元になるたんぱく質も重要です。

反対に、脂肪や糖分・食品添加物が多く含まれる食べ物は、酸化を悪化させるため、食べ過ぎには注意しましょう。

十分な睡眠

睡眠不足な状態が続くと、ターンオーバーが乱れたり、乾燥が進んだりすることで、老化に繋がりやすくなります。

人間の睡眠は、レム睡眠とノンレム睡眠を繰り返します。

アンチエイジングの観点では、脳がしっかり休まり、成長ホルモンが多く分泌されるノンレム睡眠が特に大切です。

最低でも6〜7時間の睡眠時間を確保できるように心がけましょう。

適度な運動

適度な運動も、若々しさを保つために重要です。

1日に30分程度のウォーキングや、腹筋背筋などの筋トレなど、息が少し上がる程度の適度な運動は、酸化や糖化の抑止に効果的です。

ただし、ハードすぎる運動は、活性酸素を増加させるリスクがあります。

アンチエイジングのために運動をする場合は、疲れが残りにくく、軽く汗をかける程度の運動量を目安にしましょう。

紫外線対策

紫外線対策は、肌の老化に繋がる光老化を防ぐために必要です。

加齢による自然老化だけでなく、紫外線による光老化が加わると、肌のハリが失われ老けてみられやすくなります。

紫外線はシミなどの原因となるため、1年を通してケアすることが大切です。

紫外線対策は、日光を直接浴びないようにすることが必要ですが、地面から反射して日焼けする場合もあります。

外出時は日焼け止めや帽子などでできるだけ紫外線を浴びないように注意しましょう。

活性酸素を減らす

老化の原因になる活性酸素を減らすことで、アンチエイジング効果が見込めます。

活性酸素とは、身体が酸化する原因になる物質です。

活性酸素は病原菌やウィルスから身体を守る働きもありますが、体内で増えすぎてしまうと、正常な細胞がさびつかせてしまうため、老化の原因になります。

活性酸素が増えすぎると、老化が進むだけでなく、心筋梗塞や不整脈などの心疾患、糖尿病や動脈硬化などの生活習慣病を引き起こすリスクもあることもわかっています。

活性酸素による老化や病気のリスクを抑えるためには、体内の活性酸素が増えすぎないようにコントロールすることが大切です。

抗酸化作用のある食材を摂り、適度な運動を取り入れるとよいでしょう。

糖化を抑える

体内の糖化を抑えることも、老化を防ぐために必要です。

糖化とは、体内でタンパク質と糖が結びつき、AGEs（糖化最終生成物）と呼ばれる老化物質が生まれることです。

糖化が起こると、糖尿病や腎機能障害のリスクが高まり、動脈硬化に繋がる可能性があります。

糖化を抑えるためには、血糖値の急上昇を抑えることが必要です。

お菓子や甘い飲み物を取りすぎると、血糖値が上昇しやすくなります。

また、炭水化物も血糖値が上がりやすい食べ物です。

食事の際に炭水化物から食べ始めると、血糖値が急上昇する可能性があります。

血糖値を急上昇させないためには、サラダなどの食物繊維、肉や魚などのたんぱく質を食べてから炭水化物を食べるようにしましょう。

ホルモンバランスを整える

ホルモンバランスの乱れも、老化につながる可能性があります。

ホルモンバランスは食事や仕事、運動など、日常生活の影響を受けやすいため、栄養バランスの良い食事や適度な運動を心がけ、ホルモンバランスを整えましょう。

特に女性の場合は、年齢を重ねるとともに女性ホルモンが減少し、髪や肌に老化の傾向が見られやすいです。

忙しくてもしっかり食事や睡眠を取り、ホルモンバランスを整えるように意識しましょう。

ストレスを溜め込まない

ストレスは体内の活性酸素を増加させ、老化を早める原因となります。

ストレスは溜めようとせずとも溜まってしまうことがありますが、定期的にリフレッシュできる機会を設けることが大切です。

仕事や人間関係だけでなく、生活環境などもストレスになり得るため、急な環境変化が起こった際などもストレスに注意しましょう。

美容点滴・美容注射

美容点滴・美容注射は、美容に役立つ成分を注射や点滴で体内に投与する治療です。

成分によって細胞の老化のスピードを遅らせたり、不足している栄養素を補ったりすることを目的としています。

アンチエイジング効果が期待できるのはもちろん、生活習慣病の予防に役立つ治療法です。

アンチエイジング治療として使われる成分としては、以下の例が挙げられます。

• ビタミンC
• プラセンタ
• グルタチオン　など

これらの成分を体内に直接注入することにより、成分が全身に行き渡りやすくなり、アンチエイジング効果が期待できます。

ヒアルロン酸注入・ボツリヌストキシン注入

アンチエイジングには、ヒアルロン酸注入やボツリヌストキシン注入も人気です。

ヒアルロン酸は、元々人間の肌に備わっている成分で、細胞と細胞をつなぐ役割や、水分を保持する力を持っています。

気になる部分にヒアルロン酸を注入することで、シワやクマ、たるみなどの症状の治療が行えます。

ボツリヌストキシン注入は、薬剤をおでこやエラ部分などに注入し、筋肉の動きを一時的に弱める治療法です。

表情筋によるシワや、エラ部分の張りなどが目立ちにくくなる効果が期待できます。

表情の変化によってできるシワにはボトックス、たるみやボリュームダウンにはヒアルロン酸が向いていますが、2つの治療を併用することでも効果が期待できるでしょう。

その他の治療

アンチエイジング治療の方法には、レーザー治療やHIFU、糸リフトなどさまざまな治療方法があります。

美容医療は日々進歩しており、アンチエイジングに有効な治療方法も増えています。

アンチエイジング対策に迷ったら、まずはクリニックで治療方法を相談するのがおすすめです。

お悩みの症状に合わせて、適切な治療を選択しましょう。